「白翁瀧不動明王」のハギビスビフォーアフター

令和2年です。R2。あけましておめでとうございます。
みなさんは今年の初詣はどこへ行きましたか?
私はここ数年、山の中のお不動さんにひっそりお参りしていました。

名前を「『白翁瀧不動明王(しらおがたきふどうみょうおう)」といい、大和町まほろば百選にも選ばれているお不動様です。

とは言え、小さな集会所とお不動様のお堂と、絶えることなく水が流れる岩肌があるだけの、野鳥の声がひびくひっそりした空間。

この小さな滝の水はどんな日照りでも枯れないと言い伝えられていて、「実際、自分が知る限り、戦前から一度も枯れたことが無い」とこのあたりに住んでた人が言っていました。

寒い時期には、 お不動様が氷のローブを装備する。強い!
でも今年は暖冬で雪も無いため、通常装備のお不動様だろうな~
などと、のんきに鳥居をくぐろうとしたら違和感が…

↓去年の様子

しむらー!集会所ー!!!

集会所倒壊してるーーー!!!!!
令和二年初吃驚ですよね。そんな馬鹿な。
なんと、昨年秋のハギビスこと令和元年台風第19号による山崩れで、不動明王エリア丸ごと全壊してしまっていたのでした。
まさか、もう二度とあのお堂にお参りできなくなるなんて、去年来たときは夢にも思いませんでしたよ…
新年早々初詣でカタストロフィ。どうなるの私のR2。

幸い、人的被害はなく、お不動さん像やお稲荷さんなども地元の人達の手により救出されていました。
現在はとりあえず、仮の場所にまつられており、お餅やしめ縄があることから元朝参りも例年通り行われた模様。

というわけで前半は全て昨年までに撮影した、台風が来る前の写真です。
今後、同じ場所に再建する予定だそうなので、今度様子を見に行きたいと思います。

↓これは去年の集会所内部の様子。神様だろうが仏様だろうがお不動様だろうが、鏡餅の下には玉紙をしいていく仙台藩スタイル。

― 戦前このあたりに住んでいた方のお不動さんの思い出覚書―

  • お不動さん以外のお社は、もともと別の山にまつられていたものをここに集めたもの
  • 昔は鹽竈のほうがらおがみやさんが来て、一ヶ月くらいこごさ寝泊まりして、このあたりの人をおがんでけだったんだっけよ
  • 昔は年越しの晩には夜にお父さんとこごの集会所で一晩中火ぃ焚いで、元朝参りにくる人ば迎えてたんだっけども、オラなんだがおっかなぐでんっとやんだんだったわ

ちなみに、近隣住民誰も 「白翁瀧不動明王 」という正式名称を知りませんでした。
このあたりで「お不動さん」と言えばここ以外ないので、特に固有名詞が必要なかったんでしょうね。田舎あるある。